鈴木宗男を裁いた最高裁判所に外務官僚が天下っているという事実
那須塩原市に在住の元レバノン大使天木直人さんのブログから記事を転載します。
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鈴木宗男を葬り去った最高裁判所の判事15人の一人に竹内行夫という元外務事務
次官が天下っていた。
これを9月10日の日刊ゲンダイが報じている。
この事は日刊ゲンダイのようなタブロイド紙ではなく大手新聞が書いてもっと
ひろく国民に知らされるべきだ。
もっとも、鈴木宗男の上告棄却を決定したのは最高裁第一小法廷であって、竹内氏
が属している第二小法廷ではない。竹内氏が決定を左右したわけではない。
しかし、竹内氏は田中真紀子元外相の一大騒動で外務省が混乱した時に事務次官に
なり、鈴木宗男を外務省から追い出した張本人だ。
外務省は鈴木宗男の復活だけは許せないと思っている。竹内氏はそんな外務省の組織防衛を担った外務省OBである。
司法官僚の権化のような最高裁が、仲間の一人である竹内判事の立場からまったく
無縁であるはずはない。
しかし、日刊ゲンダイがさえも書かない、もっと重要な事がある。
それは竹内判事が違法、違憲判事であるということだ。
竹内判事は小泉首相がブッシュ大統領のイラク攻撃を支持した時の外務事務次官
である。イラク攻撃が国際法違反であったことはもはや世界が認めるところだ。
しかも08年に名古屋高裁は自衛隊のバクダッド派遣は明白な戦争協力であり、
違憲である、との判決を下した。
さらに竹内氏は、米国がテロとの戦いに協力しろと迫った時、それが日米安保
条約違反、憲法9条違反であると認識しながら、国会審議を避ける政治宣言で
それに協力して国民を欺いた責任者だ。
要するに憲法遵守義務(憲法99条)に違反し続けた官僚なのである。
本来ならば総選挙の時に行なわれる最高裁判事の国民審査で国民の手で不適格の
烙印を押されるべき判事である。
そしてその機会はあった。彼が判事に就任した08年10月の後に開かれた最初
の衆院選挙(09年7月)の時だ。
しか何も知らない国民はあっさり信認した。
今度の鈴木宗男の上告棄却判決で、小沢支持者はこの最高裁の判決の背景に小沢
つぶしを感じる。
しかし国民審査は10年に一回だ。次回の国民審査の時は竹内判事は任期満了で
めでたく定年になっている。
まったくいい加減な制度がこの日本では官僚の手で作られまかり通っている。
小沢待望論が出るのはもっともだ。官僚が小沢潰しに走る理由がそこにある。
了