宇宙から来訪者があったら、どうなるだろう

信濃毎日新聞のコラムに、晴れた秋天のようなスカーッとした記事がありました。

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国連が宇宙人担当大使を任命する−。英国の新聞がそんなニュースを伝え、宇宙人対策が始まったという憶測が広まった。候補はマレーシアの天体物理学者だとされた。結局は、誤報だったのだけれど

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UFOの目撃談は世界中で後を絶たない。米国南部では住民から毎月、200件の情報が寄せられるという。中国黒竜江省で、オタマジャクシの形をした全長50メートルの物体を、多くの住民が見たこともある。空港が一時閉鎖になったこともあった

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日本でも3年前、当時の官房長官がUFOは「絶対いる」と発言。防衛相も対策を考えるとまじめに語り、政界で物議を醸している。心理学者のユングは、UFOは地球の外に救いを求める心境がもたらす幻視と分析したけれど、存在を否定しきれないのも確かだろう

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経済がおかしくなってきたからか、どの国でもナショナリズムが強まっているように感じる。イスラム女性に対する服装規制、聖典コーランの焼却、少数民族ロマの強制送還…。尖閣諸島の漁船衝突事故をめぐり、日中関係もぎくしゃくしている。環境や食糧、資源、人口など問題は山積している。各国間の協力関係が、不可欠なはずなのに

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宇宙から来訪者があったら、どうなるだろう。この星の人たちは国籍や人種、宗教の壁を越えて一枚岩になれるだろうか。澄んだ空を眺めながら、少しとっぴなことを思ったりした。

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ロシアの文豪ドストエフスキーの短編に『おかしな男の夢』というのがありますが、
ドストエフスキーにはロシア正教のバックボーンがあって書かれた短編ではありますが、短編の主人公が、地球と見知らぬ惑星間飛行を通じて、地球人のエゴについて論じているストーリーで、百数十年も前に書かれたものにもかかわらず、テーマがますます現代に生きる我々に重くのしかかってきますね。

私は、リヒャルト・シュトラウス交響詩死と変容』が好きで、年に一度は必ず聴くのですが、はたしてこの先、人類の変容はあるのかしらと考えてしまいます。