原発撤退のたたかいは、日本の政治の歪みを正すたたかい

外国特派員協会での共産党 志位委員長の講演が載っています。

原発事故とは、ひとたびおきたら、被害を「空間的」「時間的」「社会的」に限定することが不可能な事故であり、このような事故は他に類をみることができません。これは、飛行機事故にもみられない、自動車事故にもみられない、まさに「異質の危険」といわねばなりません。」

原発は、1基つくるのに5千億円もかかるといわれるビッグビジネスです。その利益を享受しているのは誰か。電力会社、原発メーカー、大手ゼネコン、鉄鋼・セメントメーカー、大銀行など一部の大企業と、原発推進の政治家、特権官僚、御用学者、そして一部のメディアです。
 この利権集団は、異論をすべて排除する「原子力村」とよばれる閉鎖集団を形成しています。これが「安全神話」の製造元となり、国民をウソで欺いて原発を推進し、巨額の利益をむさぼってきました。これは、“原子力村のペンタゴン(五角形)”とも呼ばれています。財界、政界、官僚、御用学者、一部メディアによる“ペンタゴン”です。」

「大型広告が「朝日」から始まったのは、(電力業界側が)「朝日」がそのような新聞だと一般に見られていたことを考慮してのことだと思います。しかし、そこからはじまったことは事実なのです。「読売」がそれにつづいたのは、「読売」の社長だった正力松太郎氏が、原発を日本に導入した責任者(初代原子力委員長)だったという関係があったようです。「朝日」「読売」に定期的に広告が掲載されるようになると、「毎日」も広告を出してくれと要請します。当時、「毎日」は、原発に反対するキャンペーン記事を紙面に載せていました。そこを突かれて、「毎日」は電力会社側からこういわれます。「反対が天下のためになると思うのなら反対に徹すればいいではないか。広告なんてケチなことは、どうでもいいではないか」。そういわれて「毎日」は、原発の記事は慎重に扱うと約束し、原発の危険性を伝える企画も取りやめとなりました。」

「「軽水炉」という炉のもつ不安定性という問題を指摘できると思います。「軽水炉」のしくみは、運転中はもとより、運転停止後であっても、常に大量の水で冷やし続けることによって、かろうじて安定を保つというものです。水がなくなった場合には、途端に炉心溶融という事態が避けられなくなります。水がなくなった場合に、それを解決して原子炉を安定的な方向にむけていく、原子炉としての固有の安定性をもっていません。それが今度の大事故でもあらわれました。

 なぜこういう炉が使われるようになったのか。それは、軍事の技術が転用されたからです。米国が初めて開発した原子力潜水艦ノーチラス号に積まれた原子炉は「軽水炉」でした。軍事用ですから「安全は二の次、三の次」となりました。それを性急に「陸揚げ」して、商業用に使い始めたというのが今日の「軽水炉」のはじまりです。」

「いったん「死の灰」がつくられたら、人類はそれを消す方法をもっていません。コントロールする方法ももっていません。ただ閉じ込めておくしかありません。しかし、安全に閉じ込める方法ももっていません。だいたい、「死の灰」の危険性がなくなるのに要する時間は、100万年といわれます。とほうもない時間を閉じ込める保障など、誰が考えてもありえません。それは必ず外界に漏れ出てくることになるでしょう。ここに、現在の原発の本質的に未完成で危険という問題の核心があります」

さすが共産党原発の本質を見事に突いていますね。一読をお勧めいたしますよ。

【原発からのすみやかな撤退、自然エネルギーの本格的導入を】というPDFファイルもあります。