野田首相の「捨石発言」に国難を見る

天木直人ブログ

私はきのう(12月3日)のメルマガ第484号で、野田政権は
先が短いと書いた。
それは防衛大臣の問責決議案成立必至の情勢であるからだ。
それよりも何よりも民主党内部で野田首相を支える者がいない
からだ。
これでは野田政権はもたない。
そう思ったいたら、一夜明けたきょう(12月4日)の朝刊を見て
驚いた。
野田首相は3日夕、都内のホテルで開かれた中小企業経営者の
会合に出席し、消費税増税やTPP交渉参加について「不退転
の覚悟でやりたい。捨石になってけりをつける」と強調したというのだ。
捨石という言葉を使った。
この言葉によって野田首相はみずから先が短い事を認識している
のだろうか。
私の書いたとおりの政局になるのだろうか。
とんでもない。
むしろ逆である。
彼は何があっても消費税増税とTPP交渉参加をやると言っているのだ。
消費税増税とTPP交渉参加を決めてからでないと決して辞めない、
辞めさされることはない、と言っているのだ。
どんなに反対があっても、消費税増税とTPP交渉参加は決めた以上
それに従って走りだす。
走りだせば誰も自分を辞めさせるわけには行かない。
たとえ辞めざるをえなくなっても、その後に誰が自分の後を継ごう
とも、自分が引いたレールを簡単には覆せない。
そんなエネルギーのある政治家はいない。
自分の決断が歴史に残る決断になるのだ。
野田首相はそう言っているのである。
これが野田首相の「捨石発言」の真意である。
おそるべし。野田首相
その背景には、野田首相をそこまで強気にさせているものがあるに
違いない。
こんままでは、どうやら日本国民は野田首相の手で完全に価値観の
異なる二つのグループに分断されてしまう。
これは大袈裟に言えば国難である・・・

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