田中俊一原子力規制委員長候補の悪評

日々担々 資料ブログ

(日刊ゲンダイ2012/8/3)

次から次へと出てくる

◆「福島の人間は福島に住むしかないんだ」

原子力規制委員会の委員長人事案がグチャグチャになってきた。きのう(2日)の民主党の環境部門と原発事故収束対策プロジェクトチーム(PT)の合同会議では、委員長候補の田中俊一・前原子力委員会委員長代理(67)について、出席者から「同意できない」との意見が続出。荒井聰PT座長が横光克彦環境副大臣ら政府側に対し「人事案の出し直し」を求める場面もあった。


会議では、田中氏が1日の所信聴取で、原発の40年運転規制に踏み込みつつも、「機械的に適用するということではない」と発言したことに批判が集中。
「納得できない人選だ」とのヤジが飛んだ。

「そりゃあ、そうでしょう。田中氏は日本原子力研究開発機構副理事長、原子力学会長などを歴任したバリバリの原発“推進派”です。福島原発事故では、事故直後こそ、反省するそぶりを見せていたが、除染活動に携わった頃から態度が急変。『100ミリシーベルトは健康に大きな影響がない』と低線量被曝のリスクを過小評価したり、『福島の人間は福島に住むしかないんだ』と発言したりして県民の反感を買いました。食品の安全基準を500ベクレルから100ベクレルに引き下げる要望が出た時は『風評被害を広げる』と反対し、伊達市の住民が除染活動する際も、風評被害を理由にマスクをさせなかった――という疑惑が出ています」(福島県民)

田中氏は原子力損害賠償紛争審査会の委員も務め、「20ミリシーベルト未満の地域は除染する必要なし」と繰り返し、自主避難の賠償打ち切りを画策してきた。そんな「ミスター原子力ムラ」が原発を規制できるはずがない。ジャーナリストの横田一氏が言う。
「田中氏が除染活動に携わったのは、県民に『安心、安全』を喧伝するためのパフォーマンス。本心は、自己保身と原子力ムラの組織防衛です。こんな人選になったのも、野田政権が官僚任せだからです。経産官僚が原子力の規制に踏み込むわけがありません」

この人事も野田内閣の致命傷になるのは間違いない。



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