これでもオスプレイの低空飛行訓練を認めるというのか

天木直人

新聞やテレビはまったく報じないからこのブログで書く。
きのう8月27日の外交・安保問題を集中審議する参院予算委員会
極めて重要な質問が共産党井上哲士議員からなされた。
竹島尖閣問題に対する不毛なやり取りばかりの国会審議であるが、
オスプレイ低空飛行訓練を糾弾する井上議員の質問こそ国会質問に
値する拍手喝采ものだった。
沖縄住民に丁寧にご説明したうえでご理解を求める、などと平気な顔を
して繰り返す野田首相
危険だから止めてくれと言っている沖縄住民に、何を説明するというのか。
オスプレイの安全性を日本が独自で調査したうえで確認すると繰り返す
森本防衛大臣
馬鹿な事を言うな。米国の最新輸送機が危険だなどと日本が判断できる
と思っているのか。危ないから飛ばすのを止めてくれという勇気があると
いうのか。
心の中では沖縄住民を泣かせるしかないと思っているに違いない。
その事を決めているのに、何が沖縄住民への丁寧なご説明だ。
何が日本独自で安全性を確かめるだ。
そんな野田首相や森本大臣の面の皮に動かぬ証拠をつきつけてオスプレイ
の訓練中止を迫ったのがその日の井上議員だ。
すなわち米国の環境評価書などの内部資料に書かれている証拠を突きつけた
のだ。
米国は日本の法律では認められない低さを明示した低空飛行訓練を日本
全土で行なう事を想定している。
中南米で行なわれているオスプレイ訓練と同様に、米国国内では許されない
ような過酷で危険な訓練飛行を日本だから行なうと言っている。
そんな事を明示されていながら、どうしてそれが認められるのか。
それは日本国民を米軍の下に置くことを認めているからだ。
こんな事が国民の前に明らかになった以上、オスプレイ飛行は中止するしか
ないだろう。
竹島尖閣諸島で日本政府や国民は主権を主張し、それを侵されて
怒っている。
大いに怒るのは結構だ。主権は譲れない。
しかしそれなら米国に侵されっぱなしの主権はどうだ。
米国には一言も文句を言わない日本政府など政府失格だ。
米国に文句を言わない国民は、米国の差別されている事が気にならない
愚鈍かマゾヒズムに違いない。
                                         了