「近いうち」解散を否定した野田首相の本当の不誠実

天木直人

野田首相が18日夜のTBS番組で、谷垣自民党総裁と交わした
「近いうち」の衆院解散合意について、見直し発言をしたらしい。
この事について19日の各紙が一斉に書いていた。
ついに野田首相が解散・総選挙を先送りしたと。
最近の野田首相の言動を見ていると、これまで以上に開き直った感
がする。
国の根幹に関わる重要政策についてあまりにも不誠実だ。
この「近いうち」解散合意の否定もその一つだ。
しかし私が野田首相という政治家が本当に不誠実だと思ったのは9月
19日の毎日新聞に掲載されていたつぎのような一段の小さな記事を読
んだ時である。
その記事にはさりげなく次のように書かれていた。
 「自民党大島理森副総裁は18日、首相官邸で藤村官房長官と会談
し、谷垣禎一総裁から野田佳彦首相への伝言として、『民主党代表選で
誰が代表になっても(3党合意を)』誠意を持って実行して欲しいと
申し入れた」、と。
私が野田首相という政治家が本当に不誠実だと思ったのは、谷垣自民党
総裁の伝言を聞いた上でなお、その伝言を無視してその日の夜のテレビの
前で3党合意の見直し発言をしたからだ。
その不誠実な政治家が明日にも民主党代表として再選されるという。
大多数の民主党議員が野田氏を支持し、第一回投票で再選されるという。
野田首相の再選とともに民主党を離脱する議員があと数名出てこない
ものか。
そうすれば野田首相はたちどころに解散・総選挙に追い込まれる・・・