先住民族会:基地集中は人権侵害 国連理事会で訴えへ/沖縄

毎日JP

琉球弧の先住民族会(AIPR、宮里護佐丸代表)で活動する我如古朋美さん(25)と上間怜奈さん(23)は17日から28日までスイスのジュネーブで開かれる国連人権理事会に参加する。書面で声明を提出し、米軍基地がもたらす事件事故により沖縄が受け続ける人権侵害の実情を訴える。オスプレイ配備に反対する「琉球民族」の自己決定権を尊重するよう日本政府に求め「これだけ多くの米軍基地が集中し続ける状況こそおかしい」というメッセージを国際社会に発信する。

 同理事会には各国のNGOや政府関係者が参加。2人は戦後の米軍の凶悪犯罪や航空機墜落事故のほか、オスプレイ配備、辺野古や高江への新基地建設問題を報告する。2人とも理事会への出席は初めてだ。

 恵泉女学園大学大学院(東京)で平和学を学ぶ我如古さんは「基地があること自体が差別であり、歴史的には言語や文化も奪われている。これまで多くの先輩たちが研究してきたことを、次の世代に伝えていくのが大事だ」と語った。

 上間さんは「多くの事故が起きているオスプレイの配備は、沖縄への新たな人権侵害だと提起したい。」と話し、各国参加者との情報共有に期待を込める。

(石井恭子)