崩壊に向かって加速する野田民主党政権

天木直人

ここに来て野田民主党政権の崩壊が加速している。
この事は二つの点で象徴的にあらわれている。
一つはきょう10月22日の朝日新聞が一面トップで掲載した直近の
世論調査である。
野田内閣の支持率が18%と二割を切った。おそらく後に続く他紙の
世論調査も同様の過去最低数字となるだろう。
二つは前原国家戦略担当相の謀反だ。年内解散を公言した。
これを野田総理と前原大臣の役割分担だなどと言うピントはずれの
政治評論家もいるが、これは明らか野田首相に冷や飯を食わされた前原、
仙谷一派の反野田宣言である。
これに対し安住国対委員長代行が噛み付き、岡田副代表が野田首相
擁護した。
小沢を追い出すことでは一致した反小沢連合が見事に分裂したのだ。
ついでに言えばこれに輿石幹事長が加わる。
輿石幹事長の最大の関心事はどのような政治状況になっても政権政党
にとどまることだ。
しかし安倍自民党総裁が出来た時点で輿石幹事長は立場を失った。
組合嫌いの安倍自民党の輿石幹事長無視は谷垣自民党の頃と比べれば
様変わりだ。
輿石幹事長の誤算はまさかの安倍自民党総裁の誕生であった。
このままいけば自公民の連立政権ができても輿石氏の居場所はなくな
る。労働組合は政権から排除される。
かくなるうえは安倍自民党中心の大連立政権を阻止するための反自民
連合を画策するしかない。それが小沢一郎に対する呼びかけなのだ。
すなわち野田民主党政権は保守が野田と反野田に分裂し、それに左翼の
グループが加わって三分裂状態なのだ。支離滅裂だ。
これでは解散・総選挙をいくら先送りしてもまともな政策を実施することは
無理だ。
内政・外交ともに、日を追って行き詰まっていく・・・