オバマ再選が及ぼす日本への影響について 

天木直人

米国大統領選挙の結果についていくつかの新聞社から電話コメントを
求められた。
私が特に強調したのは次の二点である。
一つは日本の対米従属外交がさらに加速するだろうということである。
野田民主党政権は対米従属にすがって延命を図ろうとするだろう。
安倍自民党民主党が壊した日米同盟関係を立て直すことを政権奪還
の売りにするだろう。
かくして対米従属を競い合うことになる。
二つ目は野田民主党が長引けば長引くほど日本の状況は苦しくなると
いうことである。
米国の経済危機は待ったなしだ。二期目のオバマ政権は米国の国益
求をより鮮明にし日本への圧力を高めるだろう。
中国もまた新しい体制に移行する。
中国の新体制と再選後のオバマ政権は国益をぶつけ合って真剣に外交
することになる。
それは必ずしも中国との関係が悪化することではない。
軍事的緊張が高まることにはならない。
それどころか米中ともお互いに相手国をステークホールダーと看做し
て牽制しながら共通の利害関係を模索することになる。
割を食うのは日本だ。
野田政権の下では中国との関係改善は100%あり得ない。中国との
関係は停滞し続ける。
オバマ新政権にとって死に体の野田政権に対してはまともな外交は不要
だ。存在しないも同然だ。何でも要求を聞いてくれるからだ
米国の大統領選挙の結果をうんうんする暇があったら日本の国益を実現
してくれる政権を一日もはやくつくることである。
メディアは一日もはやく野田政権に解散・総選挙を求めて国民に新しい
政権を選択させるべきだ。
この私のコメントは今朝の新聞では見事にボツにされていた。
                                         了