もく拾い

昨日、主人と白河のヨークベニマルへ買い物へ出かけた時のことです。私がレジに並んで会計を待っていると、主人は外でタバコを吸ってくるといいながら店外の喫煙コーナーに向かいました。 私が精算を終えて買い物を載せた台車を押しながら駐車場へ進むと、主人が車の前で微笑みながら私に何か言いたそうな顔つきでしたので、「どうしたの、楽しいことでもあったの?」と声をかけると、「懐かしい光景に巡りあった」と言うのです。羽鳥湖へ帰宅の車中で聴いてみたところ、その懐かしい光景というのは、『もく拾い』だというのです。『もく拾い』ってなんのことなのか分からないので説明を求めたところ、竹の棒の先に糸針を巻きつけて、道路に落ちている吸殻を拾い集めて、それを解して、もう一度紙に巻きつけて、再生タバコとして売る商売なんだとか。東京育ちの私ですが、そのような光景は見たことはありませんが、主人曰く、昭和30年代の東京の繁華街では、けっこう見られた光景であるとか・・・。 そのような光景が、ここ白河に再来したようですよ。 主人が、愛用のパイプをふかしに喫煙コーナーへ行ったら、70代後半と見える老人が、ビニール袋を片手に下げながら寄ってきて、備え付けの灰皿からタバコの吸殻をビニール袋に入れたので、主人はその老人に、蛇除にでも使うのかと聞いたところ、家に持ち帰って、吸殻を解して、キセルで吸うのだとか。少額の年金生活なので、大幅に値上がりしたタバコが買えなくなったんだとか・・・・。キセルで吸うのであればそれではと、主人は、パイプ用のタバコを差し上げたようですよ。まあ、この老人は、吸殻を再生して売るのではなく、生活防衛、自分の嗜好を持続させる苦肉の策として吸殻を使うようですが、このようなお年寄りにもしわ寄せがくる増税は許せませんね。近未来の日本社会を象徴するような出来事ですね。