トリカブト

我が別荘の庭にトリカブトの花が綺麗に咲いております。トリカブトの名の由来は、この花の形が舞楽のかぶり物である鳥兜に似ているからだとか。確かに似ていますよね。私がトリカブトの事を知ったのは、私が学生時代に白土三平の『カムイ伝』か『忍者武芸帳』のどちらか忘れてしまいましたが、その劇画を読んでいて初めて知りました。最近では、韓流ドラマ『チャングムの誓い』にも賜死に使われる薬剤刑として登場してきましたね。 トリカブトのことを調べていくと、例えば「古代ローマでは、しばしばトリカブトは「継母(ままはは)の毒」と呼ばれ」夫の連れ子を殺すのに、この毒がしばしば使用されたことに由来したなんていう解説もあります。考えて見ると、古今東西トリカブトは人間の救いがたい業を象徴するような存在なのかも知れませんね。

 「誇り高げに生いし草 その葉は青く 美しく
  医学に知らるるトリカブト この毒草の地下の根は
   神の手ずから植えしもの 人を惑わすこと多く
    墓場にまでも導きて 黄泉の臥床に送り込む」
          (チェーホフ『シベリアの旅 サハリン島』 神西清訳)