「やらせ」大騒ぎはガス抜きだ
【天木直人ブログ】
今頃になって原発宣伝のやらせが電力会社だけではなく経済産業省の仕業だったと大騒ぎしている。
そんな事は、メディアはとっくに知っていたはずだ。それなのに、今頃になって大発見の如く驚いてみせる。
「アクセルとブレーキを同時に踏んでいた」のではなく、「アクセルだけだった」と茶化してみせる。
だったら直ちに関係者を処罰したらどうか。経済産業省を解体したらどうか。それを菅政権に求めたらどうか。
決してそんな動きにはならない。
かつて裁判員制度挿入の際のタウンミーティングがヤラセだったと騒がれたことがあった。
あれこそ政府の中枢の凶悪な情報操作の動かぬ証拠だった。しかし誰かが罰せられたか。最高裁は批判されたか。
犯罪まがいは政府だけではない。
原発推進のやらせが報じられた同じ日の各紙は、東工大の研究費をめぐる不正経理が報じられていた。
しかも文部科学省によればすべての大学で不正経理の疑いがあるという。要するにこの国の中枢は腐りきっているのだ。
それがわかっていながら権力者たちも、それを監視する立場にあるメディアも、本気でそれを追及する気配はない。
責任者を処罰することはしない。ガス抜きで終わるのだ。
同じ日の報道にこんな記事が並んでいた。
ベンアリ・チュニジア前大統領禁固16年の有罪
ムバラク・前エジプト大統領公開裁判へ
フジモリ元大統領7事件すべて有罪
日本は権力者が罰せられない国なのである。
こんな国であるから震災復興も原発事故対策も一向に進まず、被災民は
救われず、権力者が居座って平気で増税しようとするのである。
了