ネット上の情報が自由に見られる時代が終わる可能性有

TPP Strategic Japan

#TPP)「医療保険は交渉対象になっていない(池田信夫)」 http://agora-web.jp/archives/1397937.html → 「医薬品の保険手続きに関する透明性の確保が(TPPでの)論議の対象になる可能性は、分厚い説明資料で説明した(10/27小宮山厚労相)」→ つまり池田信夫氏の言は嘘。

#TPP)池田信夫氏のように交渉の個別科目の表側だけを眺めては駄目。知的財産(所有)権関連の交渉で特許の価値に見合う薬価の透明性が論議になれば、間接的に医薬品の保険手続に関する透明性の論議になる。表の科目が裏側でどう繋がっているかがきちんと読めなければ駄目だ。知財は裏を成す。

#TPP)著作権の保護強化については、保護対象となる技術論文や文献のネット上の参照/言及が著作権者の承認を得なければ困難になる。どこにいるのか判らない著作権者を探しまわる必要もある。つまり、大学や企業のイノベーションの焚き口が押さえ付けられて、思うように開発・研究ができなくなる。

#TPP)IP関連では、米国事業連合はインターネット接続業者に著作権の番人の役割を要求している。著作権を侵害する行為については個人に対しても裁判手続きなしに、プロバイダーにネット接続のフィルタリング、切断、停止を実施させる。処罰対象とされる海賊行為の中身の精査はしない。

#TPP)著作権の保護強化に関連して、米国事業連合は米国法定損害賠償制度と見かけの上では類似する法定損害に関する条項を含めることをTPPに強く求めている。数百万ドルの訴訟の恐れをしてフェアユース(fair use )を拠り所とする使用まで思いとどませるもの。

#PP)デジタルコンテンツの所有権者が米国事業連合にACTA(模倣品・海賊版拡散防止条約)での保護以上に広範な知的財産権の保護条項をTPPに含めるように迫っている。一時的なコピーに対する保護/デジタルミレニアム著作権法の延長線上のデジタルロックの無効化防止等。

#TPP)著作権の保護期間の延長(死後70年化)は、商業上のライフスパンが早々に終わってしまった(賞味切れ)作品まで保護することになり、その作品に関心を持つ歴史家・教育者・ドキュメント作者たちが著作権者に使用許可を求めようにも著作権者を探しようもない場合は珍しくなくなる。

#TPP)米国はデジタルロックの無効化防止を強く求める。ネット上のデジタルコンテンツをローカルのPCで再生する過程でPCがバッファーにデータをコピーするが、そんなトランジェントなコピーまで保護が及ぶ可能性有。ネット上の情報が自由に見られる時代は終わる。

#TPP)モノ(有体物)から精神的産出物(無体物)へ、発明・考案・創作や営業上の信用などの無体物を支配しうる権利の保護強化をTPP第10章IP(知的財産権関連)で図る。日本ではとかくモノ(有体物)の論議が多い。モノを作らない米国が狙うは後者。IPからTPPを透かしてみる必要有。

#TPP)IP関連問題が他の交渉科目の全てに関係しているとは言わないが、まさに通商交渉と同じ場でIPを扱うことが、米国の狙いであることは確かである。日本がTPPの交渉に参加するのであれば、IPの他の交渉科目との絡み合いがしっかりと理解できなくてはならない。特に著作権と医薬特許。

#TPP)ASEAN+3(EAFTA),ASEAN+6 (CEPTA)から日本と豪州を遠のかせ、TPP/APECに主軸を移させることで、中国と対極になるブロック経済圏を作ることが米国の意図。今後中国は対極でASEAN+3(EAFTA)を発展させていくことになる。