「65歳まで再雇用義務化」のどこが間違いか

天木直人ブログ

年金問題の根本的な解決をしないままに、年金支給の開始時期延長
の穴埋めとして厚生労働省は「65歳まで再雇用義務化」を公然と言
い始めた。
来年の通常国会に関連法案15本を提出するという。
これが企業を圧迫することは明らかだ。
これが若者の雇用機会、昇進を妨げる事は明らかだ。
しかし再雇用義務化の本当の誤りは、本来は国が保証する義務の
ある定年後の年金で保証された第二の人生を、国が勝手に奪い取る
ことにある。
だれでも、十分に働いた後には、働かずに人間らしい生活の出来る
時期を持つ権利がある。
それを国が保証しなければならない。
それが近代、民主国家の条件である。
自らの失政の積み重ねでそのしわ寄せを国民に押し付ける。
死ぬまで働かなくては生きていけなくする。
そうして人間らしい生き方を最後まで出来なくさせる。
政府の無策に反抗する余裕さえも奪ってしまう。
そんな政府、官僚の無策こそ、「65歳まで再雇用義務化」の裏に
ある本当の問題なのである。
こんなことが許されるのであれば、政治家や官僚はいらない。
こんな法律は一本も成立させてはいけない。
                             了