東京電力「世界最悪企業賞」最有力−原発事故でサムソンなどと争う

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世界最悪の企業を投票で決定する「パブリック・アイ・アワード(the Public Eye Awards)」の候補に東京電力が選出されている。

原発事故と情報隠ぺい体質などが理由だ。毒性物質を扱った韓国・サムソンなどとともに不名誉な記録を争っている。

スイスを拠点とするNGOベルン・デクラレーション(Berne Declaration)と国際環境NGO エフ・オー・イー(FoE)が2000年に創設。現在はFoEのかわりにグリーンピースが選考にかかわり、ネット投票も受け付けている。

東電については「識者の勧告に耳を傾けず、原発の安全確保よりもコスト削減を優先した。その結果、福島の原発事故とそれに続く国土の放射能汚染を防げなかった。情報開示についても非常に不誠実で、馴れ合いと隠ぺい、偽装にまみれている」と厳しく指弾。日本時間1月14日午前2時現在で11848票を集め、6社中トップの位置にある。2位はサムソンだ。

投票締め切りは1月26日で、結果は25日からスイスのダボスで開催される世界経済フォーラムの中で発表される。

今年度の候補と選出理由は以下の通り。

東京電力(日本):選出理由は上述。

◆サムソン社(韓):自社工場で、使用許可のない毒性の高い物質を労働者に知らせることなく使用。その結果、多くの労働者ががんを患った。

シンジェンタ社(スイス):ヨーロッパで禁止されている自社の除草剤を南半球で販売。何千人もの農民が同製品の使用により命を落とした。

◆ ヴァーレ社(ブラジル)):アマゾンの熱帯雨林の中心部にベロ・モンテ・ダムを建設中。約4万人の現地住民が強制避難を強いられている。

◆バークレイズ社(英):投機マネーを注ぎ込み、世界中で食料の値段高騰を招いた。その結果、数え切れない最貧困層に属する人びとの命を犠牲にした。

◆フリーポート・マクモラン社(米):45年にわたり、インドネシア東部パプア州にある同社の採鉱現場を汚染し、反抗勢力を拷問し殺害してきた。(オルタナ編集部=赤坂祥彦)