菅沼光弘著「この国の不都合な真実」(徳間書店)は国民必読の書だ

天木直人

菅沼光弘著「この国の不都合な真実」(徳間書店)という書が
1月末に出版されている。
書評にも載らず、ほとんどその存在が知られていないこの書こそ
いま国民が読むべき必読の書だ。
この書は、いま我々が目にしているこの国の政治の崩壊が、米国
に追従したこの国の政治家、官僚の責任であることを見事に解説
してみせている。
著者の菅沼氏は1995年に退官して久しいとはいえ、それまで
はれっきとしたキャリア官僚である。
しかもただの官僚ではない。
この国の情報機関である内閣公安調査庁の部長まで務めた幹部
官僚である。
情報と体験に裏打ちされたその言葉の数々は重みがある。
なぜ米軍はいつまでも日本に駐留するのか。
なぜ小泉首相はあそこまで対米従属になったのか。
なぜ安倍首相は突然辞めなければならなかったのか。
なぜ慰安婦問題や南京問題が忘れたころに持ち出されてくるのか。
なぜ警察は暴力団取締を強化してきたのか。
なぜ年次改革要望書がなくなった直後にそれに代わるようにして
TPPが出て来たのか。
それらの答えがこの書にある。
すべては保身と出世に目がくらんだこの国の政治家と官僚の対米
従属のなせるわざである。
きわめつけは小沢事件に関する部分だ。

これを読むと小沢裁判の判決がどうなろうとも、国会は国政
調査権を発動して真実を追求し、この事件を作り上げた本当の悪者
は誰だったのか、その者達を国民の前に引きずり出さなければなら
ないことにきづくだろう・・・