亀井静香の「最後の闘争」

日々担々 資料ブログ

(日刊ゲンダイ2012/3/30)

国民新党が消費税に反対して民主との連立を解消したら怪しい政治家も正義の人となるだろう
国民新党亀井静香代表(75)が、消費税アップに反対し、ついに“連立離脱”に踏み切った。

きのう(29日)夜、野田首相と公邸で2時間会談し、「消費税増税はしないとの国民との約束を破るわけにはいかない」「連立を解消させて欲しい」と申し入れた。

会談後、記者団が「連立離脱するのか」と問うと、「当たり前だ」「消費税アップはしないという連立合意が破られるのに、連立に残る選択肢はない」と明言した。けさ、再び野田首相と会ったが、「考え変わらぬ」と告げた。
消費税アップに一貫して反対してきた亀井静香に対して、政界は「どうせ最後は妥協するさ」「与党を離れるはずがない」と、タカをくくっていたが、ところがどっこい、最後まで信念を貫き通した形だ。
民主党の執行部も、まさか亀井さんが連立を離脱するとは思っていなかった。損得を計算したら、どう考えても政権から離れるのは損ですからね。連立離脱を決めたために、衆参8人の国民新党も分裂してしまった。亀井さんと行動をともにするのは、亀井亜紀子だけです。残り6人は政権に残留し、自見金融相も閣内に残って消費税アップの閣議決定に『署名』することを決めた。亀井さんの行動は、どう見ても割に合いません」(民主党関係者)

しかし、最後までスジを通し「消費税アップ反対」という信念を貫いた亀井静香は、男を上げたのではないか。口が悪く、コワモテの亀井は、「ダーティー」「タカ派」というレッテルを貼られてきたが、今回の行動に心ある国民は拍手を送っているはずだ。政治評論家の本澤二郎氏が言う。
亀井静香の言っていることは、すべて正論です。約束を破ったのは、野田首相です。さすが修羅場をくぐってきた政治家だけあって、胆力が違うと思いましたよ。これまでも亀井静香は、自民党を除名されても〈郵政民営化反対〉を貫き、先頭に立って〈死刑反対〉を訴えてきた。マスコミから批判されようが、最後は政治家として自分の信念に従ってきた。執行部の顔色をうかがい、マスコミの論調を気にしてばかりの民主党議員とは大違いです。政権に残った国民新党の6人も展望があるとは思えません」
民主党議員は「たった2人の造反だ」と冷ややかに見ているが、国民の支持がどちらにあるか、よく考えた方がいい。