専業農家が原発ADR初申し立て 福島の3人 34億6800万円賠償求める 

産経ニュース

東京電力福島第1原発事故の賠償問題で、福島県専業農家3人が20日、原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)に対し、除去費用や慰謝料など計約34億6800万円の損害賠償を求める申し立てを行った。担当弁護士によると、専業農家によるADR申し立ては初めて。

 申し立てを行ったのは、福島県大玉村二本松市猪苗代町在住で、耕地面積約9万〜40万平方メートルを所有する専業農家3人。請求金額の大半は農地の除染費用で、安全な農作物を提供していくため、土の入れ替えが必要としている。

 今年の作付けは、全面作付けを行う1人を除き、一部農地に作付け制限がかかっていたり、除染などを行うことが条件になっているという。会見で猪苗代町の農家、武田利和さん(62)は「原発事故で客は半減した。汚染された農地を元に戻したい」と早期解決を訴えた。