緊急提言!野田首相は直ちに訪中して首脳会談を迫れ

天木直人

何度でも書く。
いまは議論をしているときではなく行動するときだ。
野田首相は玄葉外相、森本防衛相を引き連れて中国の指導者たちと緊急
首脳会談を行ない、いま目の前に繰り広げられている戦後最大の日中関係
の危機を抑え込む努力をすべきだ。
国民が保有していた尖閣諸島の一部を、国が管理しようと買い取った
だけでここまで大騒ぎになる。
おかしいだろう。
何の責任もない日本国民が中国国民に理不尽に生命、財産の危機にさら
される。
これが欧米諸国なら間違いなく戦争だ。
それを証拠にパネッタ米国防長官は日本に向かう機中でAP通信など
に対し日中武力衝突に発展する懸念を明らかにしたという(9月17日
朝日)。
これが当たり前なのだ。
それにも関わらず野田首相の対応はどうだ。
休日は終日公邸にこもったままだ。
官僚たちを集めて対策本部をつくるだけだ。
クールに対応せよと国内向けに語るだけだ。
そんな時間があったら、野田首相は玄葉外相、森本防衛相を引き連れ
て特別機を飛ばし、北京に飛び、胡錦涛国家主席やもうすぐ国家主席
なる習近平副主席と世界が見ている中で直談判するべきだ。
日中両政府の責任で力を合わせ国内世論を正しく導く時だと。
両国政府と国民にとって今の事態は何の利益ももたらさないと。
会えるかどうかなどを考える必要は無い。
会っても話がまとまらないなどという懸念を抱く時ではない。
会わない方が非難される。
話し合いで解決しようとしない方が孤立する。
なぜ民主党の国会議員はそれを野田首相に求めないのか。
なぜ野党議員は野田首相にそれを求めないのか。
そしてそれが出来ないなら直ちに政権を下りろと要求しないのか。
なによりもメディアはなぜそれを野田首相に要求しないのか。
このような無能な嘘つき男が、いつまでも首相に居座り続けていい
と本気で思っているのか。
野田首相がいまなすべき緊急、かつ最重要の責務はこれしかない。
しかし、政治家も官僚もメディアも一億総評論家の如くだ。
お互いに日本国民を向いた内向きの議論ばかりだ。
その間にも中国は国連や米国を相手に堂々と外交的布石を打っている。
これを要するに政治家も官僚も、そしてそれに加担するメディアも、
内向きの言辞は饒舌であっても、外交的に無為、無策であるということだ。
日本は行き着くところまで行かなければならないのかもしれない。
残念なことではあるが日本の未来は、行き着きところまで行ってはじ
めて開けるのかもしれない。
                             了