原発ゼロ目標後退:憤る市民、被災地 「全くひどい」

毎日JP

「国民をばかにしているのか」−−。2030年代に原発稼働ゼロを目指すとした「革新的エネルギー・環境戦略」を政府が決定してわずか5日。この戦略の閣議決定が見送られたことに、原発に反対してきた市民や東京電力福島第1原発事故の被災地の首長らから怒りの声が噴出した。

 「パブリックコメント(意見公募)で国民の多くの人が『原発0%』を求めていた。閣議決定の見送りは国民の声の無視に他ならない」。首相官邸前での反原発デモを呼びかけている市民団体「首都圏反原発連合」のスタッフ、原田裕史さん(45)はこう憤った。

 核燃料サイクルの継続など矛盾をはらんでいた政府の戦略。19日に発足した原子力規制委員会の人事に抗議している国際環境NGO「FoE Japan」理事の満田(みつた)夏花(かんな)さん(45)は「目標自体があいまいで矛盾を抱えていたが、政府として決めたことを閣議決定しないとは」。