キング牧師と小沢氏の最終演説についての雑感

1963年、キング牧師が『ワシントン大行進』に際し、リンカーン記念堂の前で行った有名なスピーチ“I Have a Dream”。 私の高校時代の英語の教師が、手書きのガリ版刷りのわら半紙を生徒に配り、1週間で暗記してくるように言われて、必死に覚えたものです。今でも、断片的には私の頭に残っていますよ。情熱的な先生でしたね。ところで、民主党代表選挙の最後のスピーチで、小沢さんが、「私には夢がある」と語りましたね。総じて良いスピーチであったと思います。

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投票会場での小沢さんの最終演説の抜粋。

「私には夢があります。役所の企画した、まるで金太郎飴のような街ではなく、地域の特色にあった街作りの中で、お年寄りも小さな子供達も近所の人も、お互いに絆で結ばれた助け合う社会、青空や広い海、野山に囲まれた田園と大勢の人達が集う都市が調和を保ち、何処でも一家団欒の姿が見られる日本。その一方で、個人個人が自らの意見を持ち、諸外国とも堂々と渡り合う自立した国家日本。そのような日本に作り直したいというのが私の夢であります。」
日本人は、1000年以上も前から共生の知恵として、和の文化を築きました。我々には共生の理念と政策を世界に発信できる能力と資格が充分にあります。誰にもチャンスと温もりがある豊かな日本を作るために、自立した国民から選ばれた、自立した政治家が自らの見識と自らの責任で政策を決定し実行に移さなければなりません。」

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小沢氏の演説の中で、田園とか共生という言葉が出てきますが、私には、宮沢賢治のイーハートーブのイーメージとダブってしまいます。以前、栃木の農産品直売所でお茶を御馳走になっていたら、隣席の私より年上のご主人が「唱歌や童謡はエエなー、今の歌はつまらん」みたいなことを私に話しかけてきたので、私は、どうして良い歌が生まれないと思いますか? と逆に質問したら、困惑してしまったので、「今の日本の社会は、田園が無くなってしまったんですよ、四季が生活から遠ざかったんですよ、だから、詩を書きたくても書けない環境になってしまったんじゃないんでしょうか・・・」と言ったら、大きく頷いておられました。小沢氏の情感の根底には、岩手のイーハートーブがあると思います。日本の田園再生は、すなわち農業振興であり、農業振興は共生社会とイコールってことなのかな・・・・・。