トイレ考①

上海万博の日本産業館に出店するINAXブースの「世界一トイレ」が中国の方たちに話題と人気を集めているようです。中国では富裕層が増大しているので、日本のハイテクトイレは、ビジネスチャンスになるかもしれませんね。10年位前に中国へ旅行したさいの私の体験でも、さすがに仕切りのない「ニーハオトイレ」には入いる勇気はありませんでしたからね。もっとも、ニューヨークでは、公衆トイレを探すのも一苦労ですから、急場には羞恥心もへったくれも無いですから、北京市内の方が絶対に利便性はありますよね。インドでは人口の半分が携帯電話を利用しているのに、3分の1がトイレを利用できない環境にあるとか。政府はトイレの重要性を訴え、各地に公衆トイレを設置するのですが、家より立派な建物での排泄は敬遠され、いつの間にか住居になったりしているそうです。トイレのある家では、カースト制の最下層の「ダリット」が、マスクも手袋もなく汚物を処理するとのこと。中国では、象形文字の「家」のごとく、豚小屋と一緒にトイレを作り、人間が糞をすると豚がそれを食べるという今様の循環型のトイレがあったようで、沖縄でも中国から豚と一緒にこの方式が輸入されて、「ワーフール」とか「フール」と呼ばれ、戦前まで使っているところもあったようです。総じて、上下水道のインフラ整備という社会資本の難問が関わってくるし、水資源の乏しい中国やインドでは、水洗トイレより個別に処理する微生物発酵のバイオトイレの方が有効かもしれませんね。