支離滅裂な米国の国防政策を笑う 

天木直人ブログ

オバマ大統領とパネッタ国防長官が5日に国防省で記者会見し、
米国の国防戦略の見直しを発表するという。
その内容を1月6日の各紙が一斉に報道していた。
それによれば、二正面作戦を放棄し、アジア太平洋地域での軍事的
プレゼンスを重視するという。
こんないい加減な米国の国防政策に振り回される日本はいい面の
皮だ。
ついこの間まで「テロとの戦い」が米国の唯一、最大の敵だと
言っていたのはどこの誰か。
テロとの戦いは「終わりのない最終戦争」だとまで言っていた筈だ。
そしてその「テロとの戦い」は終結していない。
それどころかアフガン、パキスタンで拡散する一方だ。
おまけに、もはや「テロとの戦い」とは無関係になったイラク
おいて、米国の撤兵を待ち受けていたかのように部内対立が激化して
いる。
見ているがいい。イラク情勢は、イラン情勢と密接にからんで中東
を揺るがすことになる。
米軍は中東に戻らざるを得なくなる。
米国は中東情勢の泥沼から抜け出せない。
そんな状況の中で何がアジア重視だ。
米国のアジア重視は見せかけだ。
中国は当面は米国の敵ではない。
米国は北朝鮮との対話再開を中国に依存せざるを得ない。
米国は北朝鮮と戦う気はない。
アジア・太平洋地域の安全保障重視という言葉に乗せられて、米国
のアジア分断作戦の口車に日本が乗せられるとすればこんな愚かな
ことはない。
いまこそ日本は日米同盟から自立し、平和なアジアの実現に向けて
中国、韓国、北朝鮮との協力関係確立に外交の舵を切る時だ・・・