対米従属に異議を唱えたプロ野球選手会に乾杯!

天木直人

物凄いことが起きた。
プロ野球選手会が米国主導のWBCに不参加の決定を下したことだ。
かねてからその収益の取り分については米国の不当な要求がまかり
通ってきた。
それに対していくら交渉しても米国側は応じない。
この差別は何なんだ。
こんな不合理を許していいのか。
だったらこちらからボイコットするしかない。
そういって日本のプロ野球選手たちが理不尽な米国の要求をはね
つけたのだ。
これほど天晴れな行動はない。
これはスポーツ紙の話題ではない。
対米従属のこの国の支配者たちに対する異議申し立てなのである。
第一級の外交事件であり、政治記事のトップになる事件である。
この国の政治家も官僚も財界人も学者もメディアも、誰もが感じて
いる米国の日本に対する不当な要求の数々。
しかし誰もそれに異を唱えることなく黙って従ってきた。
それが日本をここまで悪くしてしまったのだ。
それに対してはじめて声をあげたのがプロ野球選手たちだったのだ。
この不平等に目をつむり、自分たちのために何もしてくれずに米国
の顔色ばかりをうかがう日本プロ野球機構やプロ野球コミッショナー
たちお偉方に、「お前らは裸の王様だ」と国民の目の前で叫んだのだ。
プロ野球コミッショナーに天下った対米従属の加藤前駐米大使は、
その無能さをさらけ出して、プロ野球選手たちの決断を批判している。
米国の手先のような報道ばかりを繰り返すNHKニュース9の大越
健介キャスターは、絵に画いたように、このプロ野球選手たちの決断を、
「早まった事をするな」、「皆の楽しみを奪うな」などと批判している。
そのような対米従属ぶりこそが諸悪の元凶なのだ。
もはや通用しなくなってきているのだ。
おりからオスプレイの強行配備に対する国民の反発が起きている。
日本の富を奪うTPPに対する反発が起きている。
日米同盟という名の対米従属関係に、やっと国民が目覚め始めたのだ。
その先頭に立ったのがプロ野球選手たちなのだ。
我々日本国民はその勇気を称え、彼らを応援しなければならない。
WBCなど観なくても我慢できると。
このプロ野球選手のWBC不参加の決断こそ、日本の夜明けとなる
かもしれない。
                            了